殿下 「Musicology」(ISBN:B0001XTRCI)

発売当初は脳内で盛り上がるも全曲を一巡したくらいの第一印象は「Come」からハウスっぽいトラックを差し引いた感じ?とか、「The Sacrifice Of Victor」とか「Emancipation」表題曲みたいだな、とか、地味だな、とか、90年代以降定番のオーソドックスなファンク+音数ちょい少なめ♪とかだったんだが二順目を聴きだしてから評価急上昇♪
 元弟子のジャム&ルイスのトラックみたいにシンプルなベースラインとドラムだけでぐいぐい盛り上がる「Dear Mr. Man」、ティンバランドみたい+転調キター♪な「Life 'O' The Party」を始めとしてアルバムの尺と曲調のバランスが非常に良い。前作は「Cinnamon Girl」みたいなお気楽な曲を許さない雰囲気があったが、これは久々のメジャー配給にも気負いが無いせいなんだろうか。
 「Rave〜」が第二のサンタナ狙いのアリスタのプロモ、ゲスト多目、プロデュースを元の名前に戻して前線復帰したもんの、過去の楽曲も含めて分厚く化粧され、フックを狙い過ぎた楽曲群は市場から黙殺されてしまったもんなあ、この頃は再評価には早すぎたし・・・
 タイミングとして「Purple Rain」20周年記念、ビヨンセとの共演、ここ数年のディアンジェロアリシア・キーズといったもろ影響を受けたであろうアーティストの台頭、そうした殿下が蚊帳の外だったヒップホップ一辺倒のチャートからニュークラシックソウルやオールドスタイルのR&Bも含めた変化も手伝って、さてさてレーベル側が漁夫の利を得るか?
 ともあれ、ファンからすると10年ぶりくらい?にアルバム自体も質もセールスポテンシャルも期待できるアルバムだったのは素直に嬉しい♪去年のボウイ先生の回春作、圧倒的な来日ツアーでの感動を殿下がやってくれるのか?(注:2002年も良かったし、感動したけど内輪ノリで浮動票を巻き込んだとはとても思えん)
 P.S 唯一、気になったのが「A Million Days」、なんか「Into The Light」と「The Holy River」を曲のあちこちで思い出すんですが・・・また殿下の手癖全開ですか?