The Rolling Stones A BIGGER BANG JAPAN TOUR

toshiyukisasaki2006-03-25

東京ドームでライブを観るのは、1998年のU2のPOPMART TOUR以来なので、実に7年振りとなる。今回と同じく、3月の大学卒業前の時期で、丁度、前の会社にバイトで行き始めた頃だ。あの時は昼から大雨で、終演後は記録的な大雪で、厨子の友達の家まで泊まりに行くのに横須賀線が動かず、一苦労だったのを思い出す。
 開演10分前に会場に到着。まあ、普通、ライブの開演時刻は押すのがデフォなので、気にせずにテンションを上げるべく、売店で生ビールを一気に呑む。で、またお代わりのビールを買って席へ移動(^^;。
 座席は1Fのレフトスタンドのポール際付近で、ステージの下手側。まあ、スタジアム・ライブなんで距離の遠さはこんなもんでしょう。ステージ上には高さ28メートルの螺旋上のビルがおっ立ってる。
 19時がほどなく過ぎると、客電が落ちる!??ここ最近、音楽関係のサイトをチェックしてなかったのだが、前座が決まってたらしい。オープニング・アクトの リッチー・コッツエンが演奏し始める。ちなみに、HR/HM系(というか伊藤政則系)に、さっぱり疎い私は、この人が誰なのかとか、Mr.BIGに一時、在籍してたこととかを昨日まで全然、知らなんだです。あ、Billy Sheehan も居たみたい・・・。
 さて、座りながらマターリと思いきや・・・、一曲目のこの既聴感は・・・。
なんと「哀 戦士」じゃないですか!?しかも、もともとの原曲がスプリングスティーンを和テイストにしたような大陸っぽいロックなので、3ピースのバンドでの演奏が無理なく聴ける。つか、格好良い♪ちと、周囲を気にしつつ、心は少し、盛り上がる(w。ラストが「Z・刻をこえて」で、これはまたアレンジが絶妙に格好良かった。会場のストーンズファンに対して、HR/HMガンダムをアピールするのは、どう考えても、ブッキング・ミスだと思うのだけど、興行屋も色々と事情があるんだろう。
 20時を過ぎて、いよいよ真打の出番!!
一曲目は、Start Me Up !!ドームの劣悪な音響が、何故か新作のラフで猥雑なノリを想起させて心地良い(^^)そして、二曲目の生涯一ロックバンド宣言のIt's Only Rock'n Roll で、すっかり魂を持っていかれる。
 今回の公演はサプライズな曲が結構、セットリストに含まれていて、22日のギグではなんと As Tears Go By が演奏されたらしく、行かなかったのは本当に地団太ものの大後悔だった。
 で、この日の目玉は、Worried About You 、Ain't Too Proud To Beg !!。いやあ、初めて生で聴いた Worried About You は感涙ものだった。この年で、これだけ高いキーが出るとは・・・、絶対、ノド開く手術とかやってるな(違。Ain't Too Proud To Beg の演奏中は側に居たおっさんの肩がずっと震えていたもんな。所詮、90年代からリスナーになった私のよな若人には悔しいが、判らんということだ。
 会場の年齢層は圧倒的にオサーンで、しかも定年間近な世代も散見されたくらいだ。最も脂が乗っていた時期からリアルタイムでずっと聴いてた人達には堪らん選曲だろう。
 前頭葉を掴まれるかのよなMidnight Rambler の緩急自在なテンポの演奏でやられ、前半のハイライトである、Gimme Shelter のイントロが流れる。
どうあがいても言葉でその理由を説明出来ないのだが、この曲のイントロのギターと’あの’コーラスを聴くだけで身震いしてしまう。そして、ミックの五倍はあろうかというリサ・フィッシャーの圧倒的な声量とソウルフルな声で大盛り上がり昇天。
 アメリカのツアーではトイレ・タイムになるらしいキースのソロもここ日本では皆、ノリがいい。うん、月並みだけど、深い皺とヤニで燻されたかのよな声が大好きだ。そうそう、メンバー紹介の時のボビー・キーズへの暖かい拍手の大きさからも伺えるように、日本のストーンズ・ファンは名バイプレーヤーへの敬意を正しく表してるよなあ。

いい加減に正式なメンバーとして認めてやれよ、なダリル・ジョーンズ。

実は、ブライアン・ジョーンズよりも、ミック・テイラーよりも、圧倒的に在籍年数が長いのに、相変わらず、末っ子の若造扱い、が、メンバーの’誰よりも’年齢相応で品のある年の取り方をしてるロニー。

老人ホームで食堂の大画面テレビの前で陣取ってくつろいでいても、何の違和感も無く、既にネタにもギャグにならない出で立ちな チャーリー。

スモーカーズフェイスとか、皺くちゃとか。ヒヨコ頭とか、あらゆる揶揄を超越したよなルックスのキース。ヘア・バンドとピカピカに派手な衣装の組み合わせが、おめかしの仕方を忘れたお出掛け前のオバチャンに見えて仕方が無いのに、ギターを持ってると、もう漏れそうになるくらいに格好良い。

そして The Rolling Stones Inc. の代表取締役兼CEO なミック。経済学部卒の初の商売人ロッカーだのといった数十年以来の批判はどこ吹く風だ。ベタでこっ恥ずかしい日本語のMCはともかくとして、シャツがはだけて半裸な60代男性が、広いステージを闊歩して、唄って、フルハウスのスタジアムを席巻してるんだ、文句あっか。
 還暦を越えた初老のオッサン共に、いいようにやられっぱなしなのはいかがなものかと思うのだけども、ロックは若者のものだった、とも思いたいのだけども、冷静に考えると、とても見れた光景では無い筈なんだけども、でもでも、ストーンズだから許されるのだ(^^)。
 さて、Bridges To Babylon 以来、すっかりお馴染みとなったセンター・ステージでの演奏だが、今回は、Miss You を演奏しながら、なんとメイン・ステージの一部がそのまま移動(w。戻る時も、演奏しながら戻るのかな?と思ったら、Honky Tonk Women を演りながら、戻ってました。ちょっとネタ切れ感が漂うな(^^;。ま、スタッフは機材トラブルが心配だし、ヒヤヒヤもんだろうけどね。
 そうそう、Oh No Not You Again や Rough Justice といった新しいナンバーの演奏も荒っぽくて生々しくて素晴らしかった。が、惜しむらくは、新譜からの先行シングルだった好きな Streets Of Love が演奏されなかったことだなあ。
この手のバラード・ナンバーを自信たっぷりにファースト・シングルに出来ることが今のストーンズの充実っぷりを端的に表現してると思うんだわ。過去の名曲に十分、比肩すると思う。例えば、Memory Motel とか、Waiting On A Friend とか、Shine A Light とか、Angieとかね。この手の曲のミックの歌詞と歌唱が堪らん。猥雑なグルーヴもストーンズの当為の魅力だが、かのボウイ先生をして天才的な歌詞を書くと言わせた繊細な唄心にも惹かれる。
 オーラスはマイ・フェイバリット・ナンバーの Sympathy For The Devilに始まり、Jumping Jack Flash、Brown Sugar、ここで本編終了。アンコールは You Can't Always Get What You Want、Satisfaction といった不動の黄金ナンバー群で締め!!
 うーん、埼玉ってチケット余ってるのかな?行こうかな(^^;。